黯然銷魂
読み方:あんぜん しょうこん
意味
悲しみや別れのつらさのために、魂が消え失せるほど気力を失い、深く打ち沈むこと。「黯然」は心が暗く沈むさま、「銷魂」は魂が消えるほど悲しむ意。特に、愛する人との離別による強い悲哀を表す。
由来
中国・南朝梁の詩人、江淹(こうえん、444年頃~505年)が、別れの悲しみを詠んだ文章「別賦(べっぷ)」で述べた「黯然銷魂者、唯別而已矣(黯然として魂を銷する者は、ただ別れのみ)」に基づく。本文は『文選』に収められており、離別の悲哀を表す故事成語として日本でも用いられる。
備考
日常会話ではあまり使われない文語的・雅語的な表現。単なる落胆よりも、死別・離別などによる非常に深い悲しみを表す。「銷」は「消」とも書く。
別表記
- 黯然消魂
補足
- 「暗然銷魂」と書くのは一般的な表記ではない。正しくは「黯然銷魂」。
- 「銷魂」を「消魂」と書く表記もあるが、「銷魂」は正字を用いた表記である。
- 単に恥ずかしくて気落ちする意味ではなく、主に別れなどによる深い悲しみを表す。
例文
- 長年連れ添った愛犬の訃報に接し、彼女は黯然銷魂として言葉を失った。
- 転勤で親友と離れなければならず、駅のホームで見送る彼は黯然銷魂の面持ちだった。
- この小説は、戦乱によって引き裂かれた恋人たちの黯然銷魂たる別れを描いている。