風雨対牀
読み方:ふうう たいしょう
意味
親しい友人や兄弟が久しぶりに会い、風雨の夜に床を並べて親しく語り合い、共に過ごすこと。また、そのような深い親交や肉親の情をいう。実際に一つの寝床で寝ることよりも、離れていた者どうしの親密な再会を表す。
由来
唐代中期の詩人・韋応物(い・おうぶつ、737~792年)の詩「示全真元常」にある「寧知風雨夜、復此対床眠(寧んぞ知らん風雨の夜、復た此に床を対して眠らんとは)」に基づく。風雨の夜に再び床を並べて眠る喜びを詠んだ句から、久別の親友や兄弟が再会して親しく過ごす意となった。詩の成立年は不詳で、8世紀後半の作とみられる。
備考
文章語・雅語であり、日常会話で用いることは稀。「対牀」は二つの寝床を向かい合わせる、または並べる意で、親しい者どうしの再会の情趣を表す。通用字体では「風雨対床」とも書く。
別表記
- 風雨対床
補足
- 「風雨対床」は誤記ではなく、「牀」を通用字体の「床」に替えた正当な表記である。
- 風雨による苦難や悪天候そのものを表す語と解するのは誤りで、親しい友人・兄弟の再会と親交をいう。
例文
- 長年離れて暮らしていた兄弟は、故郷の宿で風雨対牀の一夜を過ごし、幼い日の思い出を語り合った。
- 大雨の晩、再会した旧友と風雨対牀さながらに、夜更けまで近況を語り明かした。
- この小説には、戦地から帰った二人の友が風雨対牀の情を取り戻す場面が描かれている。