鳧脛鶴脛
読み方:ふけい かくけい
意味
野鴨(鳧)の短いすねを無理に長くし、鶴の長いすねを無理に短くすること。生まれつきの性質や個性を顧みず、すべてを同じ形にしようとして、かえってその良さを損なう不適切な処置をいう。
由来
中国・戦国時代の思想家、荘子の書『荘子』内篇「駢拇」に見える言葉に基づく。そこでは「鳧の脛は短いが、これを継ぎ足せば憂い、鶴の脛は長いが、これを切れば悲しむ」と説き、自然な性質に人為的な変更を加えるべきでないことを表した。成立はおおむね紀元前4~3世紀ごろ。
備考
「鳧」は野鴨、「脛」はすねを指す。日常会話ではまれで、文章語・教養語として用いられる。単に違いがあることではなく、個性を無視して無理に均一化することを批判する語である。
補足
- 単に「違い・格差がある」という意味で使うのは不正確であり、本来は自然な個性を無理に改変・画一化することをいう。
- 「鳧」を「鳩」などと書き誤らないよう注意する。
例文
- 社員全員に同じ働き方を強いる制度は、個々の持ち味を消す鳧脛鶴脛になりかねない。
- 子どもの得意分野を認めず、一律の基準だけで評価するのは鳧脛鶴脛というべきだ。
- 地域ごとの事情を無視して全国一律の規則を適用することは、鳧脛鶴脛の弊害を招く。