削足適履
読み方:さくそく てきり
意味
足を削って履物の大きさに無理に合わせること。本来は履物を足に合わせるべきなのに、逆に足を傷つけて合わせようとすることから、目的と手段、本末を取り違え、実情・人・事実などを不適切な基準や制度に無理に当てはめることをいう。
由来
前漢の劉安らが編纂した中国の思想書『淮南子』の「説山訓」にある「削足適履、殺頭便冠」に基づく。『淮南子』は紀元前2世紀、一般に紀元前139年ごろに成立したとされる。履物に合わせるため足を削り、冠に合わせるため頭を切るという極端で不合理な比喩から生まれた。
備考
「履」は履物・くつの意。単なる適応や調整を褒める語ではなく、人や事実の本質を損ねてまで基準に合わせようとする行為を批判的にいう。類似表現に「削足就履」がある。
誤用・混同注意
- 「履」を「くつ」と読んで「さくそくてきくつ」としない。正しくは「さくそくてきり」。
- 履物を削って足に合わせる意味ではなく、足を削って履物に合わせるという本末転倒を表す。
例文
- 現場の事情を考えず、既存の規則に合わせて業務を変えるのは削足適履だ。
- 海外の制度をそのまま導入するだけでは、日本の実情を無視した削足適履になりかねない。
- 数字を整えるために顧客の声を切り捨てるのは、まさに削足適履の発想である。