蜻蛉点水
読み方:せいれい てんすい
意味
物事の表面に少し触れるだけで、深く調べたり取り組んだりしないこと。トンボが水面を軽くかすめる様子から、知識・調査・仕事などが浅く、うわべだけにとどまることをたとえる。多くは批判的な意味で用いる。
由来
中国・唐代の詩人、杜甫(712~770)の詩「曲江二首」にある「点水蜻蜓款款飛(水を点ずる蜻蜓は款款として飛ぶ)」に基づく。おおむね758年(乾元元年)ごろに詠まれた詩とされ、花の間を飛ぶ蝶と、水面に触れながらゆるやかに飛ぶトンボの情景を描いた句から、浅く触れるだけという比喩が生じた。
備考
日常会話より文章語・教養語として用いられる。多くは「蜻蛉点水の調査」のように、浅く不十分な取り組みを批判的にいう。中国語でも同形の成語が使われる。
別表記
- 蜻蜓点水
誤用・混同注意
- 「蜻蛉」を「とんぼ」と読んで「とんぼ点水」とするのは一般的な熟語の読みではない。標準的な読みは「せいれいてんすい」。
- 水面を軽く触れるという字義だけでなく、比喩的には物事に深く立ち入らない、うわべだけの態度を表す。
例文
- 担当者は現場を一度見ただけの蜻蛉点水の調査で、計画の実施を決めてしまった。
- 資料をざっと読むだけの蜻蛉点水では、その問題の本質は理解できない。
- 彼女は以前、蜻蛉点水になりがちだった読書法を改め、一冊ずつ丁寧に読み込むようにした。