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虚無恬淡

読み方:きょむ てんたん

意味

世俗的な欲望や物事への執着を離れ、心を空しく静かに保って、あっさりとしていること。道家思想では、作為や欲を捨てて自然の道理に従う、穏やかで無欲な境地をいう。「虚無」は単なる絶望や無意味さを指すのではなく、こだわりを離れた心の状態を表す。

由来

中国の道家思想を伝える「荘子」の「刻意篇」にある「虚無恬淡、寂漠無為者、天地之平而道徳之質也(虚無恬淡・寂漠無為なる者は、天地の平らかにして道徳の質なり)」に基づく。荘子は戦国時代(おおむね紀元前4~3世紀)の思想家とされ、この句は欲や人為を離れた自然な生き方を理想とする思想を表している。

備考

日常会話ではあまり用いられず、思想・文学・人物評などで使われる硬い表現。「虚無主義」のような悲観的な無意味さではなく、欲や執着から自由な静けさを表す。

別表記

  • 虚無恬澹

補足

  • 「虚無」を「人生には意味がない」という虚無主義の意味だけで解釈するのは不正確である。
  • 「恬淡」を「淡泊」と置き換えた「虚無淡泊」は、一般に定着した四字熟語の表記ではない。

例文

  • 彼は名声や利益に心を奪われず、虚無恬淡の境地を保っている。
  • 退職後は山里で、虚無恬淡な暮らしを送りたいと考えている。
  • 荘子の思想には、虚無恬淡を理想とする道家の生き方が表れている。

分類

類義語

対義語

この四字熟語に使われている漢字