無為自然
読み方:むい しぜん
意味
人があれこれと作為的に手を加えず、物事が本来もつ道理や性質に従って、おのずから成り立つままに任せること。老荘思想に基づく語であり、単なる怠惰や放任ではなく、不自然な干渉を避ける態度をいう。
由来
中国古代の道家思想、特に『老子』に説かれる「無為」と「自然」の理念に基づく語。「無為」は人為的・強制的な働きかけをしないこと、「自然」は「おのずからそうであること」を表す。『老子』は伝統的には春秋時代(紀元前6~5世紀)に老子が著したとされるが、現存する本文の成立は戦国時代(紀元前4~3世紀頃)とみる説が有力である。
備考
道教・老荘思想に関わる語。「無為」を無策・怠慢、「自然」を単に自然環境の意味と解するのは不正確である。思想用語として用いられることが多い。
補足
- 「無為自然」を、何もせず責任も負わないという意味の「無為無策」や放任と同一視するのは誤り。
- 「自然」は自然環境ではなく、「おのずからそうであること」という思想上の意味で用いられる。
例文
- 庭づくりでは、樹木の育ち方を尊重する無為自然の考え方を大切にした。
- 彼は子育てにおいて過度に干渉せず、無為自然を旨として子どもを見守っている。
- 無為自然の姿勢は、何もしないことではなく、状況の道理に逆らわずに対処することだ。
分類
類義語
- 自然体
- 天衣無縫
- 無為無欲
対義語
- 人為
- 作為
- 意図的操作