莫逆之交
読み方:ばくぎゃく の こう
意味
互いの心が少しも背かず、深く理解し合っている親しい交友・友情のこと。「莫逆」は心に逆らうことがない、意見や気持ちがぴたりと合う意で、「之交」はそのような交わりを表す。単に仲がよいだけでなく、無二の親友といえるほど親密な関係をいう。
由来
中国古典『荘子』大宗師篇に、四人の人物が語り合い、「相視而笑、莫逆於心、遂相与為友(互いに見交わして笑い、心に逆らうところがなく、そこで友となった)」とある。この「莫逆於心」に基づき、「莫逆之交」という形で、心が完全に通じ合う親交をいうようになった。『荘子』は戦国時代、紀元前4~3世紀頃に成立したとされる。
備考
文章語・改まった表現で、日常会話では「無二の親友」「大親友」などが一般的である。日本語では「莫逆の交」とも書く。「一方が相手に逆らわない関係」という意味ではない。
別表記
- 莫逆の交
誤用・混同注意
- 「莫逆」を「一方が相手に逆らわないこと」と解するのは誤り。互いの心が完全に通じ合うことをいう。
- 「莫逆」は「もぎゃく」ではなく「ばくぎゃく」と読む。
例文
- 彼とは学生時代から苦楽を共にしてきた莫逆之交だ。
- 二人の作家は意見を率直に交わしながらも、莫逆之交を結んでいた。
- 祖父にとってその戦友は、家族同然の莫逆之交だった。