知者不言
読み方:ちしゃ ふげん
意味
本当に知恵や見識のある人は、自分の知識をむやみにひけらかしたり、軽々しく多くを語ったりしないということ。深い理解をもつ人ほど、言葉の限界や発言の重みを知り、慎重であるという意味で用いる。
由来
中国の思想書「老子」第五十六章にある「知者不言、言者不知(知る者は言わず、言う者は知らず)」に基づく。『老子』は戦国時代(紀元前4~3世紀頃)に成立したと考えられるが、成立時期や著者については諸説ある。老子思想における、道を深く悟った者は多弁ではないという考えを表す。
備考
「知識のある人は一切発言してはならない」という禁止ではない。軽率な多弁を戒め、深い見識をもつ人の慎み深さをたたえる語である。原文では「言者不知」と対で示される。
補足
- 「知者不言」を、知識人は常に黙っていなければならないという絶対的な禁止の意味で用いるのは不正確。
- 原典の対句「知者不言、言者不知」を、単に『話す人は無知である』と字義どおりに断定する意味に解するのは適切でない。
例文
- 彼は豊富な経験を持ちながら自慢話をせず、まさに知者不言を地で行く人物だ。
- 会議では、知者不言というように、十分に状況を見極めてから短く要点を述べた。
- 知者不言を尊ぶあまり、必要な説明や助言まで黙ってしまわないよう注意したい。
分類
類義語
対義語
- 多弁多舌
- 軽挙妄動