狐鼠之徒
読み方:こそ の と
意味
権力者や有力者のそばに取り入り、その威勢を後ろ盾として人に害を及ぼしたり、悪事を働いたりする小人・悪人の仲間をいう。「狐鼠」は、ずる賢く害をなす者のたとえである。
由来
中国の正史『後漢書』楊震伝に見える語。後漢(1~2世紀)の官僚・楊震が上奏した文中に、「狐鼠之徒、依憑城社、無懲罰之難、為国害也」とある。城壁の近くに住む狐や社(やしろ)に巣くう鼠は、取り除こうとすれば城や社を傷めるため始末しにくい、というたとえから、権勢に寄りかかって害をなす者を指すようになった。『後漢書』自体は南朝宋の5世紀に范曄が編纂した。
備考
日常会話ではあまり用いない漢文調の語で、政治・組織内の腐敗や、権勢を利用する取り巻きを批判する文脈で使う。単に狐と鼠の集団を意味する語ではない。
誤用・混同注意
- 「狐鼠之途」と、仲間を表す「徒」を道筋の「途」に書き誤らない。
- 単なる「ずる賢い人々」ではなく、権力者を後ろ盾にして害をなす者をいう点を取り違えない。
例文
- 政権の周辺には、権力者の名をかさに着る狐鼠之徒が集まりやすい。
- 不正を正すには、表立った責任者だけでなく、その陰で利益を得る狐鼠之徒にも目を向ける必要がある。
- 彼は有力者に取り入って人を苦しめる狐鼠之徒だと、住民から非難された。