桃李不言
読み方:とうり ふげん
意味
桃や李(すもも)は何も言わなくても、美しい花や実を求めて人が集まり、その下には自然に道ができるということ。転じて、徳や人格のある人のもとには、本人が宣伝したり招いたりしなくても、自然に人が慕い集まることをいう。
由来
中国前漢の歴史書『史記』の「李将軍列伝」に見える「桃李不言、下自成蹊(桃李もの言わざれども、下おのずから蹊を成す)」に基づく。前漢の武将・李広の人柄をたたえるために引用されたことばで、司馬遷が紀元前1世紀ごろに著した『史記』に収められている。
備考
通常は、後半を補った「桃李不言、下自成蹊」の形でも用いる。「桃李」は桃と李(すもも)を指し、優れた人物のたとえ。人の徳望や自然な人望をほめる文脈で使う。
誤用・混同注意
- 「桃李不言」は、単に無口であることをほめる語ではなく、徳のある人物には自然に人が集まるという意味である。
- 「李」を「梨」と書くのは誤り。正しくは、すももを表す「李」。
例文
- 彼は自らを売り込むことはないが、桃李不言というべき誠実な仕事ぶりで、多くの協力者を得ている。
- 地域の人々が自然に校長のもとへ相談に集まる様子は、まさに桃李不言である。
- 優れた指導者は派手な宣伝よりも行動で信頼を示す。桃李不言の姿勢が、長い目で見れば人望につながる。