巧言乱徳
読み方:こうげん らんとく
意味
口先だけ巧みで人を惑わせる言葉は、人の徳や道徳心を乱し、損なうという意味。耳当たりのよい弁舌やへつらいの言葉に惑わされず、誠実さを重んじるべきだという戒めとして用いる。
由来
中国古典『論語』衛霊公篇の「巧言は徳を乱る(巧言乱徳)」に由来する。孔子の言葉として伝わるもので、成立は春秋時代末期から戦国時代初期にかけて(紀元前5~4世紀ごろ)とされる『論語』に見える。巧みだが誠意のない言葉が、人の徳を損なうことを戒めた表現である。
備考
「巧言」は巧みに飾った言葉、特にへつらいや人を惑わす言葉をいう。単に話し方が上手いことを非難する語ではなく、誠実さを欠く弁舌を戒める語である。
補足
- 「巧言令色」と混同しない。「巧言令色」は別の四字熟語で、巧みな言葉と愛想のよい顔つきを指す。
- 「乱徳」を「乱得」と書くのは誤り。
例文
- 耳に心地よい約束ばかりを並べる候補者の演説には、巧言乱徳の危うさを感じる。
- 巧言乱徳というように、都合のよい説明だけで問題を覆い隠してはならない。
- 部下を褒め言葉で操るのではなく、巧言乱徳を戒めて率直に方針を伝えるべきだ。