大弁若訥
読み方
たいべん じゃくとつ
意味
本当に優れた弁舌は、ことさらに言葉を飾ったり、流暢さを誇示したりしないため、一見すると口べたで訥弁なように見えるということ。真に内容のある言葉は、表面的な巧みさだけでは測れないことをいう。
由来
中国古典『老子』第四十五章にある「大直若屈、大巧若拙、大弁若訥」に基づく。成立は戦国時代(紀元前4〜3世紀頃)とされる。大いにすぐれた弁舌(大弁)は、かえって訥弁であるかのように見える、という老子の逆説的な思想を表す。
分類・構成
備考
「若」は「〜のようだ」、「訥」は「口べたである」の意。単に話すのが苦手な人を褒める語ではなく、内容・見識の深さゆえに飾り立てない優れた弁舌をいう。
誤用・混同注意
- 「大弁若拙」とするのは誤り。「大巧若拙」と混同しないようにする。
- 「訥」を「納」と書くのは誤り。
例文
- 彼は会議で華々しく話すわけではないが、要点を突く発言には重みがある。まさに大弁若訥の人だ。
- 大弁若訥というように、真に説得力のある説明は、技巧的な言い回しばかりに頼らない。
- 彼女の話し方は控えめだが、経験に裏打ちされた言葉には皆が耳を傾けた。大弁若訥を思わせる姿である。
類義語
対義語
- 巧言令色
- 能弁多弁