因革損益
読み方:いんかく そんえき
意味
前の時代の制度・慣習などについて、受け継ぐべきものは受け継ぎ、改めるべきものは改め、必要に応じて内容を増減すること。過去の形をそのまま守るのでも、すべてを否定するのでもなく、時代や状況に合わせて適切に改革することをいう。
由来
中国古典『論語』為政篇にある孔子の言葉「殷因於夏礼、所損益可知也。周因於殷礼、所損益可知也」に基づく。孔子(紀元前6~5世紀ごろ)が、殷は夏の礼制を、周は殷の礼制を受け継ぎつつ、それぞれ必要な増減・改変を行ったと述べた箇所から、「因革」と「損益」を組み合わせてできた語である。
備考
主に制度・政治・文化・組織運営の改革について用いる硬い表現。「因」は原因ではなく「従来のものを受け継ぐ」、「損益」は利益・損失ではなく「減らすことと加えること」の意。
誤用・混同注意
- 「因果損益」と書くのは誤り。正しくは「因革損益」。
- 「損益」を企業の利益・損失の意味だけで解するのは不正確。この語では制度などを減らしたり加えたりする意。
例文
- 新しい制度を導入する際は、過去の経験を生かした因革損益の姿勢が求められる。
- 伝統文化を守るには、単なる保存ではなく、時代に応じた因革損益も必要だ。
- この法改正は、旧制度の長所を残しながら欠点を正す因革損益の好例といえる。