俯不怍人
読み方:ふして ひとに はじず
意味
自分の行いが正しく誠実であり、下を向いて人と向き合っても少しも恥じるところがないこと。「仰不愧天」と対にして用い、天にも人にも恥じないほど、良心にかなった清らかな生き方・態度をいう。
由来
中国の儒家思想書『孟子』尽心章句上にある「仰不愧於天、俯不怍於人(二楽也)」に由来する。戦国時代(紀元前4~3世紀頃)の孟子の言葉で、「天を仰いで恥じず、人に対しても恥じない」ことを君子の喜びの一つとした。「俯不怍人」はこの句から「於」を省いた四字の形である。
備考
主に文章語・教訓的な表現として用いる。「仰不愧天」と対句で使われることが多い。「俯」は単なる「下を見る」ではなく、天を仰ぐこととの対比で、人に対して恥じない意を表す。
誤用・混同注意
- 「俯不愧人」とは書かない。原則として「俯不怍人」と書く。
- 「怍」を音読みして「ふして ひとに さくせず」と読まない。慣用的な読みは「ふして ひとに はじず」。
例文
- 私利を交えずに判断したのだから、俯不怍人の姿勢で説明できる。
- 公職に就く者は、俯不怍人といえる公正な行動を心掛けるべきだ。
- 彼は仰不愧天、俯不怍人の信念を持ち、不正を知りながら黙認することを拒んだ。
分類
類義語
対義語
- 問心有愧
- 厚顔無恥