以人廃言
読み方
いじん はいげん
意味
人柄が悪い、または嫌いな人物であるという理由だけで、その人の発言・意見まで価値がないものとして退けること。発言の内容は、発言者への好き嫌いや評価と切り離して、公平に判断すべきだという戒めをいう。
由来
中国古典の「論語」衛霊公篇にある「君子は言を以て人を挙げず、人を以て言を廃せず(君子は、言葉だけで人を登用せず、人柄だけでその人の言葉を退けない)」に基づく。孔子(紀元前551年頃~紀元前479年頃)の教えとされ、「論語」は戦国時代、紀元前4~3世紀頃までに編集されたと考えられている。
分類・構成
備考
「人を以て言を廃す」と訓読する。主に文章語・教訓的な表現として用いられる。「言」は単なる発言ではなく、意見・主張・助言などを指す。
誤用・混同注意
- 発言者を嫌うこと自体を指す語ではなく、その嫌悪を理由に発言内容まで退けることをいう。
- 「人を以て言を廃す」の「以」は理由・基準を表し、「人の言葉を廃止する」という意味ではない。
例文
- 相手に過去の問題があったとしても、提案そのものは以人廃言に陥らず検討すべきだ。
- 彼は発言者を嫌っていたため有益な助言まで退けたが、それは以人廃言というものだ。
- 会議では以人廃言を戒め、肩書や人間関係ではなく、意見の根拠によって判断しよう。