五劫思惟
読み方:ごこう しゆい
意味
非常に長い時間をかけて、物事を深く考え抜くこと。もとは、阿弥陀仏が法蔵菩薩であった時、衆生を救うための誓願や浄土のあり方を五劫という果てしない年月にわたって思い巡らしたことをいう。現在では、重大な事柄を熟考するたとえとしても用いる。
由来
仏典「無量寿経」に見える仏教語。法蔵菩薩が、師である世自在王仏の前で、仏国土を建立して衆生を救済する方法を「五劫」にわたり思惟し、四十八願を立てたという説話に基づく。「劫」はきわめて長大な時間を表す単位である。漢訳「無量寿経」は、一般に三国時代の魏・嘉平4年(252年)頃に康僧鎧が訳したものと伝えられる。
備考
本来は阿弥陀仏の前身である法蔵菩薩に関する仏教語である。「五劫」は実際の五つの期間というより、途方もなく長い年月の象徴として理解される。日常会話では硬く、文章語・比喩表現として用いられやすい。
例文
- 新規事業の理念について、経営陣は五劫思惟の末に基本方針を定めた。
- 災害復興の計画は、目先の利益にとらわれず、五劫思惟する姿勢で検討すべきだ。
- 彼女は一語一句を五劫思惟してから、被災者へ向けた声明を発表した。