一竜一蛇
読み方
いちりゅう いちだ
意味
時勢や周囲の状況に応じて、進むべきときには竜のように勢いよく進み、身を低くすべきときには蛇のように退くということ。固定した態度にこだわらず、機に応じて柔軟に進退・行動することをいう。
由来
中国古典の『管子』「乗馬」にある「一龍一蛇、与時偕行(いちりょういちだ、時とともに行く)」に基づく。『管子』は春秋時代の管仲に仮託された書で、戦国時代から前漢期にかけて編集・成立したとされる。天に昇る竜と地を這う蛇を対比し、時勢に従って進退を変える意を表した。
分類・構成
備考
現代の日常会話ではあまり用いられず、文章語・教養語的な表現である。単なる無節操な機会主義ではなく、情勢を見極めて適切に進退するという肯定的な意味で使う。「一龍一蛇」は「竜」を旧字体で書いた表記。
誤用・混同注意
- 「いちりゅういちへび」とは読まない。標準的な読みは「いちりゅういちだ」。
- 竜と蛇が一匹ずついるという字義どおりの意味ではなく、時勢に応じて柔軟に進退することをいう。
- 「一龍一蛇」は「竜」の旧字体を用いた表記であり、誤字ではない。
例文
- 市場環境が急変する時代には、拡大と縮小を使い分ける一竜一蛇の経営が求められる。
- 彼は政局の流れを的確に読み、一竜一蛇の処世によって危機を乗り越えた。
- 新規事業では、攻める時と守る時を見極める一竜一蛇の姿勢が重要だ。