鴎鳥忘機
読み方:おうちょう ぼうき
意味
人が利害・作為・たくらみを抱かず無心で接するため、鴎などの鳥も警戒心を忘れて近づくこと。転じて、世俗的な打算を離れ、自然と親しみながら静かに暮らす心境・境地をいう。
由来
中国の古典「列子」黄帝篇にある故事に基づく。海辺の男が無心で鴎と遊んでいたところ、父から鴎を捕らえてくるよう命じられた。翌日、男が捕らえる意図を抱いて海へ行くと、鴎たちは警戒して降りてこなかったという話である。「鴎鳥忘機」は、このように作為のない人には鳥も警戒を解くことを表した成句である。故事の原型は戦国時代の思想に由来するとされるが、現存する「列子」はおおむね3〜4世紀頃に整理・成立したものと考えられている。
備考
文語的・雅語的な表現で、日常会話ではあまり用いない。「機」は機械ではなく、機心、すなわち打算・作為・たくらみや警戒心を指す。自然との無心な交わりを詠む文脈で使われる。
別表記
- 鷗鳥忘機
補足
- 「忘機」を「忘器」と書くのは誤り。
- 「機」を機械の意味と解するのは誤りで、ここでは機心(打算・作為・たくらみ)を表す。
例文
- 都会の競争から離れ、湖畔で釣りをする彼の暮らしには、鴎鳥忘機の趣がある。
- 利害を持ち込まずに子どもたちと接する先生の姿は、鴎鳥忘機の境地を思わせる。
- 朝の浜辺で人のそばを鴎が悠然と歩く光景に、鴎鳥忘機という言葉を思い出した。
分類
類義語
対義語
- 利害打算
- 機心
- 疑心暗鬼