疑心暗鬼
読み方:ぎしん あんき
意味
疑う気持ちがあると、実際には存在しない不安や怪しいものまであるように思えて、何もかも疑わしく感じられること。根拠の薄い疑念のために、周囲の人や出来事を悪く受け取ってしまう状態をいう。
由来
中国古典『列子』の「説符」篇にある、斧をなくした男が隣人の子を盗人だと疑い、その子の動作のすべてが怪しく見えたという話に基づく。「疑心、暗鬼を生ず」(疑う心が、暗闇にいるはずのない鬼まで生み出す)という形から、「疑心暗鬼」が定着した。『列子』の現行本は魏晋期(3〜4世紀頃)の成立・編纂とされる。
備考
「疑心暗鬼を生ず」の略。単に慎重に警戒することではなく、根拠の乏しい疑いによって、実在しない危険や悪意まで感じ取ってしまう状態を表す。
補足
- 「疑心暗気」は誤り。正しくは「疑心暗鬼」。
- 「暗鬼」を単なる暗い気分の意味と解するのは不正確で、疑心が生む実在しない鬼・不安をたとえた語である。
例文
- 一度情報が漏れたため、彼は疑心暗鬼になり、同僚の何気ない行動まで疑うようになった。
- 根拠のないうわさが広がり、部署全体が疑心暗鬼に陥っている。
- 災害時には不確かな情報が人々の疑心暗鬼を招くので、公式発表を確認することが大切だ。
分類
類義語
- 草木皆兵
- 杯中蛇影
- 疑神疑鬼
- 杞憂