鳶飛戾天
読み方:えんぴ れてん
意味
鳶が空高く飛んで天に至ること。転じて、徳や能力に乏しい者、あるいは悪人・小人が権力や地位を得て、思うままに勢いを振るい横行することをいう。日本語では、多く批判的な意味で用いられる。
由来
中国最古の詩歌集である『詩経』の「大雅・旱麓」にある「鳶飛戾天、魚躍于淵(鳶は飛んで天に至り、魚は淵に躍る)」に由来する。『詩経』には周代(紀元前11~6世紀ごろ)の詩が収められるが、この詩の正確な成立年は不明である。原文は鳥と魚がそれぞれの場で生きる姿を詠んだもので、後に小人が勢力を得て横行するたとえとして用いられた。
備考
「戾」は「至る」の意。原典では鳶と魚がそれぞれの場で活動する自然の姿を詠むが、日本語の四字熟語としては主に「小人・悪人がのさばる」という否定的な意味で使う。
別表記
- 鳶飛戻天
補足
- 「鳶飛魚躍」と混同しない。これは同じ『詩経』の句に由来する別の四字熟語。
- 「戾」は「至る」の意であり、単に「戻る」の意味に解するのは不正確。
例文
- 組織の監督が弱まれば、鳶飛戾天となって不正を働く者が現れかねない。
- 有力者の失脚後、取り巻きだった人物が要職を占める様子を、評論家は鳶飛戾天だと批判した。
- 私欲を優先する者の鳶飛戾天を許さないためにも、透明性の高い制度が必要だ。