適者生存
読み方:てきしゃ せいぞん
意味
生物の個体や種のうち、周囲の環境に最もよく適応したものが生き残り、子孫を残すという考え方。進化論・自然選択の説明として用いられる。「強い者が勝つ」という意味に限らず、環境への適応度が高いことをいう。
由来
英語の「survival of the fittest」の訳語。英国の哲学者・社会学者ハーバート・スペンサーが、チャールズ・ダーウィンの進化論に関連して1864年刊の『Principles of Biology(生物学原理)』で用いた表現として知られる。のちにダーウィンも用い、日本語では「適者生存」と四字熟語風に訳され定着した。
備考
本来は生物進化に関する語であり、道徳的・社会的に「強者だけが生きるべきだ」とする思想ではない。人間社会へ無批判に当てはめる用法には注意が必要である。
補足
- 「適者」とは腕力や能力が最も高い者ではなく、その時々の環境に適応している者を指す。
- 生物学上の概念を、人間社会の弱者排除を正当化する意味で用いるのは本来の意味から外れやすい。
例文
- 適者生存とは、環境により適した生物が子孫を残しやすいという自然選択の考え方である。
- 気候変動によって生息環境が変われば、ある種にとっての適者生存の条件も変化する。
- 市場競争を単純に適者生存と呼ぶことには、社会的な条件を見落とすおそれがある。