過門不入
読み方
かもん ふにゅう
意味
人の家の門前を通り過ぎても中に入らないこと。転じて、仕事などに追われ、知人を訪ねたり自宅に立ち寄ったりする暇もないほど非常に忙しいことをいう。責任や目的のために私事を後回しにする、強い献身や勤勉のたとえとしても用いられる。
由来
中国古典『孟子』滕文公上(戦国時代、紀元前3世紀ごろに成立)にある故事に由来する。夏王朝の禹が治水に尽力し、8年間外で働き、「三たびその門を過ぎて入らず」と、自宅の前を通っても入らなかったとされる。この話は『史記』(前1世紀ごろ成立)にも見え、日本では「過門不入」という四字熟語として定着した。
備考
本来は禹が自宅に入らなかった故事を指すが、現代では「訪問する余裕もないほど多忙」という比喩で使う。勤勉さをたたえる一方、家庭を顧みない状態を批判的にいう文脈にもなり得る。
例文
- 新製品の立ち上げ期で、部長は過門不入の忙しさを続けている。
- 出張続きの彼は実家の近くまで来ても過門不入で、両親に顔を見せる暇がなかった。
- 禹の過門不入の故事は、公共のために私事を後回しにする献身の象徴として語られる。
類義語
- 席不暇暖
- 日不暇給
- 多忙多端
対義語
- 悠悠閑閑
- 悠々自適