螳螂之斧
読み方:とうろう の おの
意味
カマキリが大きな車に前脚を振り上げて向かうように、自分の力や相手との力量差を顧みず、強大な相手に挑むこと。多くは、勝ち目のない無謀な抵抗や身の程知らずの行為をいう。文脈によっては、困難を承知で立ち向かう勇気を表すこともある。
由来
中国・前漢の『韓詩外伝』巻八に見える故事に基づく。紀元前2世紀ごろ、斉の荘公が狩りに出た際、カマキリが車輪に向かって前脚を振り上げたという話が伝えられる。大きな相手を恐れずに向かうその姿から、力量をわきまえず強敵に挑むことを「螳螂之斧」と呼ぶようになった。「斧」はカマキリの鎌状の前脚を斧に見立てた語である。
備考
通常は「無謀な挑戦」「身の程知らず」という否定的な意味で用いる。ただし、弱者が大きな権力に屈せず挑む文脈では、勇敢さや不屈さを込める場合もある。現代では「蟷螂の斧」とも書く。
別表記
- 蟷螂之斧
- 螳螂の斧
- 蟷螂の斧
誤用・混同注意
- 「斧」を音読みして「とうろうのふ」と読むのは一般的でない。標準的な読みは「とうろうのおの」。
- 「螳螂」は「蟷螂」とも書き、両表記は字形上の異同であって誤字ではない。
例文
- 資金も協力者もないまま巨大企業を相手に訴訟を起こすのは、螳螂之斧になりかねない。
- 彼は螳螂之斧と承知しながらも、不正を告発するため権力者に立ち向かった。
- 経験の浅いチームが王者に無策で挑むのは、勇敢というより螳螂之斧だ。