自他不二
読み方:じた ふに
意味
仏教語で、自分と他人は本来別々に対立するものではなく、相互に関係し合う一体の存在であるという考え。自分だけの利益を求めることと他者を利することも、究極的には切り離せないという意味で用いられる。
由来
仏教の「不二(にではない・対立を超えていること)」という思想に基づく語である。大乗仏教では、自己と他者、主観と客観などの二分法を超える考え方が説かれた。「自他不二」という四字の定着時期や単一の典拠は明確ではないが、中国仏教を経て日本仏教にも伝わり、天台宗・浄土教・禅などで用いられてきた。
備考
主に仏教・宗教哲学の文脈で用いる硬い語。「自分と他人の区別が現実に全くない」という意味ではなく、対立的に捉えず相互のつながりを重んじる考えをいう。
補足
- 「不二」を「ふたつ」と読まない。標準的な読みは「ふに」。
- 単に『自分と他人が同じ性格であること』を表す語ではない。仏教的な非対立・一体性の思想をいう。
例文
- 福祉活動には、自分の幸福と他者の幸福を切り離さない自他不二の精神が大切だ。
- 彼は自他不二の考えに立ち、地域の課題を自分自身の問題として受け止めた。
- 講話では、自他不二の教えから、他人を傷つける行為は自らをも傷つけることになると説かれた。
分類
類義語
対義語
- 自他対立
- 自他分別
- 自他差別