自他一如
読み方:じた いちにょ
意味
自分と他人とは本来切り離された存在ではなく、根本において一体であり、差別がないという仏教的な考え方。自分の利益だけを求めず、他者の苦しみや幸福を自分自身のこととして受け止め、共に生きようとする態度を表す。
由来
仏教語。「自他」は自分と他人、「一如」は二つに分けられない同一の真理・あり方をいう。インド大乗仏教に見られる「不二」「一如」の思想を、中国で漢訳仏教の語として表したものを背景とする。特定の一文献に初出を定めることは難しいが、漢訳仏典が形成・発展した後漢から唐代(おおむね2~10世紀)以降の仏教思想に基づく表現である。
備考
仏教・倫理・福祉などの文脈で用いられる硬い表現で、日常会話では多くない。「自他一体」と似るが、仏教的には自他の分別を超えるという思想性を含む。
誤用・混同注意
- 「じたい いちじょ」と読まない。正しくは「じた いちにょ」。
- 「自他一体」と混同しない。近い意味だが、別の表現である。
例文
- 自他一如の精神に立ち、困っている隣人を自分のことのように支援した。
- その福祉活動は、自他一如の考え方を社会で実践しようとする試みである。
- 利益だけを追求するのではなく、自他一如の視点から地域全体の幸せを考えるべきだ。
分類
類義語
対義語
- 自己中心
- 利己主義
- 自他対立