群龍無首
読み方:ぐんりょう むしゅ
意味
多くのすぐれた人物が集まっているが、その中に首領・中心人物となる者がいないこと。転じて、集団に統一的な指導者が不在である状態をいう。文脈によっては、各人が対等に力を発揮する望ましい状態の意にも、統率が取れない状態の意にもなる。
由来
中国古典『易経』の「乾」卦の「用九」にある「見群龍無首、吉(群龍首無きを見る、吉)」に基づく。『易経』は紀元前1千年紀ごろから成立したとされる古典である。竜は優れた人物・君主の象徴であり、多くの竜がいても一頭を首長としない状態を表す。原典では「吉」とされ、優れた者が対等に協力する趣旨を含む。
備考
原典では「首領がいない多くの竜」を吉とする表現で、必ずしも否定的ではない。現代では、指導者不在でまとまりを欠くという批判的な意味でも用いられる。「烏合之衆」は無秩序な集団をいうため、優れた人物が多い点で異なる。
別表記
- 群竜無首
誤用・混同注意
- 「ぐんりゅうむしゅ」と読まない。標準的な読みは「ぐんりょうむしゅ」。
- 単に統率のない無能な集団を指すとする理解は不十分。原義には、多くの優れた人物が対等に並び立つという肯定的な含意がある。
例文
- 新しいプロジェクトは有能な人材がそろっている一方で、責任者が決まらず、群龍無首の状態が続いている。
- 各分野の専門家が自由に意見を述べる会議は、よい意味で群龍無首といえる。
- 後継者を指名しないまま社長が退任したため、会社は一時、群龍無首となった。
分類
類義語
対義語
- 一枚岩
- 統制団結