窮理尽性
読み方:きゅうり じんせい
意味
物事の道理を深く究め、人間に本来備わる性質・能力を十分に発揮し尽くすこと。儒教、特に宋学・朱子学の思想では、理を探究して人の本性を明らかにし、天命の理解へ至ることをいう。
由来
中国古典の「易経」説卦伝にある「窮理尽性、以至於命(理を窮め、性を尽くし、もって命に至る)」に基づく。説卦伝の成立時期は諸説あるが、戦国時代から前漢期(紀元前3〜前2世紀ごろ)にかけて成立したと考えられている。日本では朱子学などを通じて用いられた。
備考
日常会話で使うことは少なく、儒学・朱子学・哲学の文脈で用いられる硬い語である。「窮」は困窮の意ではなく、「きわめる」の意。
別表記
- 窮理盡性
誤用・混同注意
- 「窮理」の「窮」を「貧しい」という意味だけで理解するのは誤りで、「道理をきわめる」の意である。
- 「尽性」を「性質をなくすこと」と解するのは誤りで、本性を十分に発揮・究明することをいう。
例文
- 研究者には、現象を観察するだけでなく、その原理を探る窮理尽性の姿勢が求められる。
- 彼は儒学を学び、窮理尽性によって自己を磨くことを生涯の目標とした。
- この授業では、知識の暗記にとどまらず、窮理尽性の精神で物事の本質を考える。
分類
類義語
- 格物致知
- 尽性至命