窮猿投林
読み方
きゅうえん とうりん
意味
追い詰められた人が、条件の良し悪しを選ぶ余裕もないまま、頼れそうな場所や人に身を寄せることのたとえ。猟師などに追われて窮した猿が、どの木がよいか選ぶ暇もなく林へ逃げ込む意からいう。
由来
中国・南朝宋の劉義慶が5世紀前半(およそ430年頃)に編んだ『世説新語』の「言語」篇に見える「窮猿投林、豈暇択木(窮猿林に投ず、あに木を択ぶに暇あらんや)」に基づく。追い詰められた猿には、逃げ込む林や木を選ぶ暇がない、という意味である。
備考
「窮猿投林の思いで」「窮猿投林とばかりに」などと用いる。単なる逃走ではなく、切迫して選択の余地がない状態で身を寄せることを表す。
例文
- 会社の倒産で住まいまで失った彼は、窮猿投林の思いで、疎遠だった親族のもとへ身を寄せた。
- 資金が尽きて交渉も決裂したその企業は、窮猿投林とばかりに競合他社の傘下に入った。
- 避難先を選べる状況ではなく、住民たちは窮猿投林のように最寄りの避難所へ駆け込んだ。
類義語
- 窮鳥投人
- 進退窮まる
- 窮地に陥る