盛衰無常
読み方:せいすい むじょう
意味
世の中の繁栄と衰退には永続するものがなく、すべては移り変わるということ。栄えていた国・家・組織・人なども、いつかは衰える可能性があり、逆に衰えたものが再び盛んになることもあるという、世の無常を表す。
由来
「無常」は、すべての物事は変化し続け、永遠に同じ状態ではないとする仏教の基本思想に由来する語です。「盛衰無常」は、繁栄と衰退の移り変わりをこの無常観で表した四字熟語です。平安時代末~鎌倉時代初期(12~13世紀)の『平家物語』冒頭にある「諸行無常」「盛者必衰」の思想とも深く通じますが、「盛衰無常」そのものの初出時期は明確ではありません。
備考
主に歴史、企業、国家、家勢などの栄枯を語る際に用いる、やや文章語的な表現です。人の死や人生一般のはかなさには「諸行無常」、栄える者が必ず衰えることには「盛者必衰」がより直接的です。
誤用・混同注意
- 「盛衰無情」と書くのは誤り。「無情」ではなく、すべてが変化して常に同じではないことを表す「無常」を用いる。
- 『平家物語』の原文に「盛衰無常」という句がそのままあるとするのは不正確。同作には「諸行無常」「盛者必衰」が見られる。
例文
- かつて市場を席巻した企業の衰退を見て、盛衰無常を実感した。
- この城跡は、戦国大名の盛衰無常を今に伝えている。
- 長い歴史を振り返れば、どの王朝にも盛衰無常の姿が見られる。