生霊塗炭
読み方
せいれい とたん意味
人民・民衆が、戦乱や圧政、災害などによって極度の苦しみに陥ること。「生霊」は生きている人々・人民、「塗炭」は泥にまみれ、熱い炭火で焼かれるほどのひどい苦しみをいう。由来
中国古典に由来する語。「塗炭」は『書経(尚書)』「仲虺之誥」にある「民墜塗炭(民は塗炭に墜つ)」に基づき、人民が耐え難い苦境に落ちることを表す。『書経』は先秦期の文書を含む古典で、成立・編纂は前漢期(紀元前2〜1世紀ごろ)までに進んだとされる。「生霊」は人民の意で、これと「塗炭」を結んで、民衆が塗炭の苦しみを受けるさまをいう。備考
「生霊」はここでは「いきりょう(生きている人の霊)」ではなく、「せいれい」と読み、人民・生きている人々を指す。現代では主に戦乱・災害などによる民衆の悲惨な状況を、文章語として重く表す。例文
- 長年の戦乱によって国土は荒廃し、民衆は生霊塗炭の苦しみを味わった。
- 為政者は、生霊塗炭の惨状を招いた政策を深く反省すべきだ。
- 洪水と飢饉が相次いだ地域では、生霊塗炭ともいうべき生活が続いていた。