現世安穏
読み方:げんぜあんのん
意味
現在生きているこの世で、心身や暮らしが平和で穏やかであること。仏教では、現世における災難のない安らかな生活を願う語として用いられ、しばしば「後生善処」と対にして、来世にもよい境遇を得ることを願う意味で使われる。
由来
仏教語。『法華経』の「薬草喩品第五」に見える「現世安穏、後生善処」に基づく。原典はインドで成立した仏典であり、現行の漢訳は後秦の鳩摩羅什による訳(5世紀初頭、406年ごろ)に由来する。現世での平安と、死後に善い世界へ生まれることを願う表現である。
備考
主に仏教・寺院の祈願文や法要で用いられる格調高い語。「現世」はここでは「げんせ」と読み、現在の人生・この世を指す。「後生善処」と続けて使うことが多い。
別表記
- 現世安穩
誤用・混同注意
- 「現世」はこの語では「げんぜ」と読み、「げんせ」としない。
- 「現世安泰」とするのは一般的な定型表現ではない。
- 「現世」は「現代社会」の意味ではなく、現在の人生・この世の意味である。
例文
- 寺の新年祈願では、家族の現世安穏と後生善処を祈った。
- 被災地の人々の現世安穏を願い、法要が営まれた。
- 彼女は毎朝、仏前で自分だけでなく周囲の人々の現世安穏を祈っている。