狼顧狷介
読み方:ろうこ けんかい
意味
人を警戒して容易に心を許さず、他人に迎合せずに自分の信念や節操を頑固なまでに守る性質をいう。「狼顧」は猜疑心が強く用心深い様子、「狷介」はかたくなで人と協調しにくい性質を表す。肯定的には孤高で節義を守る姿、否定的には偏屈で近寄りがたい態度をいう。
由来
「狼顧」は、唐の貞観22年(648年)に成立した中国の歴史書『晋書』「宣帝紀」に見える司馬懿の「狼顧の相」の故事に基づく。狼が後方を振り返るような姿から、猜疑深く警戒心の強い様子を表す。「狷介」は中国古典以来用いられる語で、節操を固く守り他人に迎合しない性質をいう。これら二語を重ねて、孤高でかたくなな人物像を表した語であり、四字熟語としての厳密な成立時期は明確でない。
備考
日常会話ではまれで、人物評や文章語として用いる。相手を「偏屈で協調性がない」と批判する響きにも、「節義を守る孤高な人」と評価する響きにもなりうる。
補足
- 「狼顧」を単に「狼を顧みること」と解するのは不正確で、狼が後方を振り返る姿に由来する語である。
- 「狷介」は「けんがい」ではなく「けんかい」と読む。
例文
- 彼は狼顧狷介の気質で、周囲の助言にも安易には同調しない。
- その研究者は狼顧狷介と評されたが、不正なデータには決して妥協しなかった。
- 彼女の態度を狼顧狷介と見るか、信念を貫く姿勢と見るかは、人によって異なる。