狗彘不食
読み方:くてい ふしょく
意味
人としてあまりに卑劣・醜悪で、犬や豚でさえその者の残り物を食べないと思われるほど、ひどく嫌悪される人物や行為をいう。極悪な行いを強く非難する表現。
由来
中国の正史『明史』の「李任伝」に見える「狗彘不食其余(犬や豚でさえ、その残り物を食べない)」という句に由来する。悪人の残した物さえ犬・豚が嫌うほどだ、という強い嫌悪の比喩である。のちに「其余」を省略した「狗彘不食」が四字熟語として用いられるようになった。『明史』は明代(1368~1644年)の事績を記し、清代の1739年に完成した。
備考
非常に強い侮蔑・非難を含む文語的な語であり、日常会話で特定の人物に軽々しく用いるのは避ける。食べ物の安全性ではなく、人の行為の卑劣さをたとえる表現である。
誤用・混同注意
- 食べ物が犬や豚に適さないという意味ではなく、人の卑劣さ・嫌悪すべき行為をたとえる語。
- 「狗彘不食其余」は由来となった長い句であり、「狗彘不食」の誤記ではない。
例文
- 弱者をだまして財産を奪うとは、狗彘不食というべき卑劣な行為だ。
- 公金を私物化したうえ責任を部下に押しつける姿勢は、世論から狗彘不食と厳しく非難された。
- 史家は、民の困窮を顧みずぜいたくにふけった権力者を、狗彘不食の政治を行った者として批判した。