人面獣心
読み方:じんめん じゅうしん
意味
顔つき・外見は人間でありながら、心は獣のように残忍で情け容赦がないこと。また、そのような人をいう。人の姿をしていても人道や良心を欠く者を、強く非難する語。
由来
中国の歴史書『漢書』匈奴伝にある「夷狄之人、貪而好利、被髪左衽、人面獣心、其与中国殊俗」という記述に由来する。『漢書』は後漢の班固らによって1世紀ごろに編纂された。原文は周辺民族を偏見をもって描いた歴史的記述であり、そこから「人の顔をして獣の心をもつ」の意で用いられるようになった。
備考
非常に強い非難・罵倒の表現であり、実在の個人や集団に軽々しく用いるのは避けたい語。語源には古代中国の周辺民族に対する偏見を含むため、歴史的文脈への配慮も必要である。
別表記
- 人面獸心
補足
- 「人面獣心」は人物への非常に強い非難語であり、単に冷淡・無愛想な人の意味で使うのは不適切。
- 語源の「夷狄」に関する記述を、特定の民族・集団への評価として現代にそのまま用いるのは不適切。
例文
- 弱い立場の人を平然と搾取するその行為は、人面獣心と非難されても仕方がない。
- 彼は人面獣心の悪人として描かれているが、物語の終盤で意外な過去が明らかになる。
- 相手を人面獣心と決めつける前に、事実関係を冷静に確かめるべきだ。
分類
類義語
対義語
- 人面仏心
- 温厚篤実