木鶏之徳
読み方
もっけい の とく
意味
十分な修養を積み、相手から挑まれたり周囲が騒がしかったりしても、少しも動揺しない境地・人格をいう。もとは闘鶏が、敵意や威嚇に反応しないほど落ち着き、内面の力が充実した状態をたとえた語である。
由来
中国・戦国時代(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』の「達生篇」に由来する。闘鶏を養成していた紀渻子が、王から仕上がりを問われ、「外見は木で作った鶏のようだが、その徳は完全である」と答えた故事に基づく。ほかの鶏が鳴いたり挑発したりしても動じない、完成された闘鶏の姿を表した。
分類・構成
備考
現代では「木鶏の徳」と訓読表記されることも多い。単なる無感情・無反応ではなく、十分な鍛錬の結果として得られる、内面の充実と不動の落ち着きを評価する語である。
誤用・混同注意
- 「木鶏之得」は誤記。正しくは「木鶏之徳」である。
- 単に感情がないこと、何も反応しないことを指すのではない。鍛錬によって得た不動の境地をいう。
例文
- 重要な交渉の場でも感情を表に出さない彼には、まさに木鶏之徳がある。
- 厳しい批判を受けても冷静に改善策を示す姿勢は、木鶏之徳を思わせる。
- 長年の鍛錬によって、彼女は勝敗に一喜一憂しない木鶏之徳の境地に近づいた。