暗夜行路
読み方:あんや こうろ
意味
暗い夜道を進むこと。転じて、将来の見通しが立たず、不安や困難の中で人生・事業などを進める状態をいう。志賀直哉の長編小説の題名としても広く知られる。
由来
特定の中国古典などに由来する故事成語ではなく、「暗い夜(暗夜)」を「行く道・旅(行路)」とする漢語的な組み合わせである。成立時期は明確ではない。大正10年(1921年)から昭和12年(1937年)にかけて発表された志賀直哉の長編小説『暗夜行路』の題名により、広く知られるようになった。
備考
文字どおりの「夜道を行くこと」と、比喩的な「先行きが見えない苦境」の両方に用いる。志賀直哉の小説名として使う場合は、通常『暗夜行路』のように書名を括る。
誤用・混同注意
- 志賀直哉の小説題としてのみ用いる語だと誤解されることがあるが、一般に「見通しの立たない困難な状況」の比喩としても用いる。
- 「暗中模索」と混同されることがある。「暗中模索」は手掛かりのない中で方法を探ることをいう。
例文
- 新規事業は資金も人材も不足しており、まさに暗夜行路の出発だった。
- 先の見えない療養生活を、彼は暗夜行路を歩むような思いで耐えた。
- 制度変更の詳細が示されないままでは、現場は暗夜行路を強いられる。