掩耳盗鐘
読み方:えんじ とうしょう
意味
自分の耳をふさいで鐘を盗めば、その音は他人にも聞こえないと思い込むことから、自分だけをだまして、都合の悪い事実や自分の悪事を他人に知られないと勝手に思い込むこと。自欺的な行為や、見え透いたごまかしをいう。
由来
中国の思想書『呂氏春秋』の「自知」にある寓話に基づく。戦国時代末期、紀元前239年ごろに編纂された同書では、鐘を盗もうとした者が、音を人に聞かれるのを恐れて自分の耳をふさいだ話が語られる。他人に聞こえないように自分の耳だけをふさぐ愚かさから、自分を欺く行為を意味するようになった。
備考
「掩耳盗鈴(えんじとうれい)」も広く用いられる異形。単に他人をだますことではなく、自分だけをだまして事実を見ようとしない愚かさを批判する語である。
別表記
- 掩耳盗鈴
補足
- 単に「他人をだます」という意味で使うのは不正確で、特に自分自身へのごまかし・自己欺瞞を表す。
- 「掩耳盗鈴」は誤字ではなく、辞書にも載る定着した異形である。
例文
- 不正な経費を帳簿から消せば発覚しないと考えるのは、まさに掩耳盗鐘だ。
- 問題点を指摘されても資料を見せなければ済むという態度は、掩耳盗鐘にすぎない。
- うわさを聞かないふりをしても事実は消えない。掩耳盗鐘にならないよう、まず状況を確認しよう。