平常無事
読み方:へいじょう むじ
意味
ふだんと変わった事件や心配事がなく、平穏であること。また禅の語としては、特別な作為や執着を離れ、ありのままの日常を生きることをいう。日常語では主に「何事もなく平和である」という意味で用いる。
由来
中国・唐代(9世紀)の禅僧、臨済義玄の教えを伝える『臨済録』に由来する禅語とされる。「無事」は単に事故がない意味ではなく、作為や迷いのない境地を指し、「平常無事」は特別なことを求めない自然な日常こそ尊いとする禅の考え方を表した。後に、何事もなく平穏な状態をいう一般的な表現として定着した。
備考
現代では「事件やトラブルがなく平穏」という意味が中心である。禅語として用いる場合は、単なる無難さではなく、作為や執着のない自然な境地という含みをもつ。
補足
- 「平常無時」と書くのは誤り(正しくは「平常無事」)。
- 「何もしないで怠けること」の意味ではない。
例文
- 今年も家族全員が平常無事に暮らせたことを、ありがたく思う。
- 大きな変化はないが、平常無事な毎日こそが最も貴重なのかもしれない。
- 祭りを終え、町が平常無事の静けさを取り戻した。