尾生抱柱
読み方:びせい ほうちゅう
意味
約束や信義を頑固なまでに守り通そうとすること。特に、状況が変わっても融通を利かせず、愚直に約束へ執着することをいう。一般には、信義の堅さを表す一方で、行き過ぎた頑固さ・融通の利かなさを批判的にいう場合が多い。
由来
中国の戦国時代ごろ(紀元前4~3世紀ごろ)に成立したとされる『荘子』の「盗跖」篇に基づく故事。尾生という男が女性と橋の下で会う約束をしたが、増水しても立ち去らず、橋の柱を抱いたまま溺れ死んだという話から生まれた。「抱柱之信」「尾生之信」ともいう。
備考
現代では日常会話より文章語・教養語として用いられる。単なる「誠実さ」のほめ言葉ではなく、時勢を顧みない愚直さを皮肉るニュアンスを伴うことがある。
誤用・混同注意
- 「抱柱」は柱を抱く意であり、「尾生抱住」と書くのは誤り。
例文
- 彼は一度交わした約束を尾生抱柱のごとく守ろうとするが、非常時には方針を改める柔軟さも必要だ。
- 規則を尾生抱柱に守るだけでは、現場で困っている人を救えないことがある。
- その担当者の姿勢は信義に厚いともいえるが、事情の変化を考慮しない尾生抱柱だという批判も受けた。
分類
類義語
- 抱柱之信
- 尾生之信
- 愚直一徹