冥行擿埴
読み方
めいこう てきしょく
意味
道理や事情に暗く、何が正しいか、どのように行動すべきか分からないまま、手探りで物事を進めること。暗闇の中を歩き、地面をつついて探るような心細い状態をたとえる。
由来
前漢末から新代にかけての思想家・揚雄が、1世紀初頭に著した『法言』の「擿埴索塗、冥行而已矣(埴をつつき、道を探し、暗闇を行くだけである)」に基づく。原文の語順を入れ替えて「冥行擿埴」という四字熟語となった。「冥」は暗闇、「擿」はつつく・探る、「埴」は粘土をいう。
分類・構成
備考
現在の日常会話ではあまり用いない、漢文調で硬い表現。「暗中模索」と近いが、道理・判断基準が分からないことを強く表す。「擿」を「摘」と書き換えないよう注意する。
誤用・混同注意
- 「冥行摘埴」と書くのは誤り。正しくは「冥行擿埴」。
- 「擿埴」を「てきしん」などと読まない。標準的な読みは「てきしょく」。
- 単に夜道を歩く意味ではなく、道理や方針が分からず手探りで進むたとえとして用いる。
例文
- 新制度の詳しい説明がないまま導入を急げば、現場は冥行擿埴の状態に置かれる。
- 基礎資料を確認せずに原因を推測するのは、冥行擿埴に等しい。
- 先例も指針もない事業だったため、当初の調査は冥行擿埴の苦労を伴った。