不易流行
読み方:ふえき りゅうこう
意味
いつの時代にも変わらない本質・価値(不易)を大切にしながら、時代や状況に応じて新しい表現・変化(流行)も取り入れること。松尾芭蕉の俳諧理念として知られ、伝統を守ることと革新することは対立せず、両方が必要であるという考え方を表す。
由来
江戸時代前期の俳人・松尾芭蕉(1644~1694)が説いた俳諧の理念に由来する。芭蕉は元禄年間(1688~1704)、俳諧には永遠に変わらない真実・本質である「不易」と、時代の感覚に応じた新しさである「流行」の両方が必要だと考えた。この教えは弟子の向井去来がまとめた俳論書『去来抄』(元禄15年・1702年ごろ成立)などに記録されている。
備考
「流行」はここでは単なる「はやり」ではなく、時代に即した新鮮な変化を指す。古いものを無条件に保存することでも、新しさだけを追うことでもない。主に俳諧・芸術・伝統文化・経営の文脈で用いられる。
補足
- 「流行」を単に「はやり」と解し、流行追随だけを意味する語だと誤解することがある。
- 「不易」と「流行」のどちらか一方を守る思想ではなく、両者の調和を説く理念である。
例文
- 老舗は不易流行の精神で、創業以来の味を守りつつ新しい商品も開発している。
- 伝統芸能を次世代へ伝えるには、不易流行の視点で演出や発信方法を工夫することが大切だ。
- この企画は流行を追うだけでなく、作品の本質を保つ不易流行の姿勢が感じられる。
分類
類義語
- 温故知新
- 守破離
- 伝統革新