不折不扣
読み方:ふせつ ふこう
意味
少しも値引きや差し引きをしない意から、内容・程度に不足や手加減がまったくなく、完全であることをいう。「不折不扣の専門家」のように用い、正真正銘の、まったくの、完全な、という意味を表す。
由来
中国語の商取引で、「折」「扣」はともに値引き・差し引きの意を表す。「不折不扣」は一切値引きも差し引きもしないことを字義とし、そこから「完全な」「十全な」の意味に転じた近代中国語の表現である。清末から民国期にかけて定着したとされ、茅盾の小説『子夜』(1933年)にも用例がある。
備考
日本語では日常会話よりも文章語・硬い表現として用いられる。「折れず屈しない」という意味ではなく、その場合は通常「不撓不屈」を用いる。
誤用・混同注意
- 「折れず屈しない」の意味と誤解しやすいが、不折不扣は「完全な・まったくの」の意である。
- 不屈の精神を表す語として「不折不屈」と混同しやすいが、通常は「不撓不屈」を用いる。
例文
- 彼は理論だけでなく実績も備えた、不折不扣の専門家だ。
- この記録は、不折不扣の事実として慎重な検証を経て公表された。
- その作品は、不折不扣の名作として長く読者に愛されている。
分類
類義語
対義語
- 有名無実
- 名実不相伴
- 不完全