万死不辞
読み方
ばんし ふじ
意味
たとえ命を何度失うほどの危険や苦難があっても、決して辞退・拒否しないということ。主君・恩人・国家などのために、命をかけて任務を果たそうとする強い忠誠心や決意を表す。
由来
「万死」は「一万回死ぬほど」、転じて命を失うような極めて大きな危険をいう誇張表現。「不辞」は「辞退しない・断らない」の意である。明代(14世紀後半〜15世紀頃に成立)とされる羅貫中作の中国歴史小説『三国志演義』第八回に、貂蝉が王允の命を受ける際、「万死不辞」と述べる場面があり、これが出典として知られる。
分類・構成
備考
現代では「万死不辞の覚悟」「万死不辞で引き受ける」のように用いる、硬く古風な表現である。日常的な依頼には大げさになりやすく、忠誠・献身・重大な任務を述べる文脈に適する。
誤用・混同注意
- 「辞」を「辞職する・やめる」の意味に取り、「何度死んでもやめない」と解釈するのは不正確。「辞退する・断る」の意である。
- 「万死一生」と混同しない。「万死一生」は、ほとんど助かる見込みのない危険な状態をいう。
例文
- 国難に際しては、万死不辞の覚悟で任務を遂行すると隊長は誓った。
- 恩師から頼まれた大役である以上、彼は万死不辞で引き受けるつもりだ。
- 使者は「国のためなら万死不辞です」と述べ、危険な交渉の地へ向かった。
類義語
対義語
- 貪生怕死
- 明哲保身
- 保身第一