一死報国
読み方
いっし ほうこく
意味
自分の命を捨てる覚悟で国家に報い、そのために尽くすこと。「一死」は命を失うこと、「報国」は国のために尽くして恩に報いることをいう。命を惜しまないほどの強い忠誠や献身を表す語である。
由来
「一死(命を失うこと)」と「報国(国に報いること)」を結んだ漢文調の語である。中国古典の特定の一句を直接の典拠とする故事成語としては、確かな出典が確認しにくく、四字句としての成立時期も未詳である。日本では少なくとも明治期(1868年以降)から国家への忠誠を示す語として用いられ、戦時期には標語的にも広まった。
分類・構成
備考
歴史的には軍人精神や国家主義的な文脈で使われることが多い語である。現代では、戦争や国家による犠牲の要求を批判的に論じる場面でも用いられるため、使用する文脈に注意が必要である。
誤用・混同注意
- 「一死奉国」と書くのは誤りで、正しくは「一死報国」。
- 単に「国を大切にする」という穏やかな意味ではなく、命を惜しまないほど国に尽くすという強い自己犠牲を含む語である。
例文
- その武将は一死報国を誓い、劣勢の戦場へ向かった。
- 戦時中には、「一死報国」という言葉が国民に大きな犠牲を求める標語として用いられた。
- この小説は、一死報国を掲げる若者の葛藤を通して、国家と個人の関係を描いている。
類義語
対義語
- 売国求栄
- 私利私欲