滅私奉公
読み方:めっし ほうこう
意味
自分個人の利益や私的な感情・欲望を捨てて、国家・社会・組織などの「公」のために力を尽くすこと。「私を滅し、公に奉ずる」の意である。今日では、個人を過度に犠牲にする考え方として批判的な文脈で用いられることもある。
由来
中国古典の特定の一句を典拠とする故事成語ではなく、「私を滅し、公に奉ずる」という漢文訓読調から成った日本の漢語的表現とされる。成立時期を特定できる単一の文献は不明だが、近代、特に明治後期から昭和戦前期にかけて、国家や組織への献身を求める標語として広く用いられた。
備考
戦前の国家主義や企業・組織への過度な献身と結び付けて語られることがある。現代では無条件の自己犠牲を肯定する語として受け取られないよう、文脈への配慮が必要である。
補足
- 「滅私報公」は誤り。正しくは「滅私奉公」。
- 「私心を完全に否定し、人格まで捨てること」という意味ではなく、私的利益より公的利益を優先する意である。
例文
- 彼は滅私奉公の精神で地域の復興事業に取り組んだ。
- かつては滅私奉公が美徳とされたが、現在では個人の生活や権利との両立も重視される。
- 部下に滅私奉公を求めるだけでは、健全な職場環境はつくれない。
分類
類義語
- 尽忠報国
- 献身奉仕
- 公私一如
- 無私無欲