一夔自足
読み方
いっき じそく
意味
ある分野で非常にすぐれた人物が一人いれば、同種の人材を多く集めなくても十分であるということ。また、そのように一人で十分な働きをする卓越した人材をいう。
由来
『韓非子』外儲説左下にある故事に基づく。魯の哀公が孔子に「夔一足」とは本当かと尋ねたところ、孔子は、夔が片足だったのではなく、音楽に精通した夔は一人いれば十分である、すなわち「夔一而足矣」と言ったのだと説明した。『韓非子』は戦国時代末期、紀元前3世紀ごろに成立したとされる。
分類・構成
備考
「夔」は伝説上の楽人の名。日常会話よりも文章語・教養語として用いられる。「夔一足」は、夔が片足だったという意味ではない。中国語では「一夔已足」と表記されることがある。
誤用・混同注意
- 「夔」を「魁」と書くのは誤り。
- 故事中の「夔一足」を「夔は片足だった」という意味に解するのは誤り。
例文
- 音楽教育にも行政にも通じる彼女が顧問に加われば、その分野の人材は一夔自足だ。
- 交渉・設計・現地運営に精通する彼は、海外拠点の立ち上げにおいて一夔自足の人材だった。
- 伝説にいう堯は、楽に通じた夔について、一夔自足であると考えたとされる。
類義語
対義語
- 多士済済
- 多多益弁