一士諤諤
読み方:いっし がくがく
意味
一人の正直で気骨のある人物が、権力者などに遠慮せず、誤りをはっきり指摘して諫めること。また、多くの人がただ同調するよりも、一人でも率直に意見を述べる人がいるほうが価値があるということ。
由来
中国の前漢時代、司馬遷が紀元前1世紀ごろに編んだ「史記」の「商君列伝」に見える句に由来する。趙良が商鞅に対し、「千人之諾諾、不如一士之諤諤(千人がただ『はい』と従うより、一人の士が率直に諫めるほうがよい)」と述べた。その後半の趣旨を四字にまとめた語である。
備考
「諤諤」は、遠慮なく正しい意見を述べて諫めるさま。単に口調が強いことではなく、相手や組織を正そうとする誠実な諫言を表す。多くは、組織や政治に必要な人物像として用いる。
誤用・混同注意
- 「愕愕」と書くのは誤り。驚く意味の「愕」とは異なり、正しくは言偏の「諤諤」。
- 「がくがく」は震える意味の「がくがく」と混同されやすいが、ここでは率直に諫める意の「諤諤」を指す。
例文
- 会議では一士諤諤の気概を持ち、上司の案にも問題点があれば率直に意見を述べるべきだ。
- 社長の周囲には賛成者ばかりでなく、一士諤諤として苦言を呈する役員も必要である。
- 彼女は一士諤諤の姿勢を貫き、不正な処理を見過ごさずに改善を求めた。