逝者不可諫、来者猶可追
読み方:ゆく もの は いさむ べからず、きたる もの は なお おう べし
意味
過ぎ去った事柄は、今さら諫めたり改めたりすることはできない。しかし、これから起こる事柄については、努力や対処によってよい方向へ導くことができる、という意味。過去をいたずらに悔やむより、未来のために行動すべきだという教えである。
由来
中国の古典「論語」微子篇にある言葉。春秋時代の楚の狂人・接輿(せつよ)が、政治に関わろうとする孔子に対して歌いかけた句とされる。原文は一般に「往者不可諫、来者猶可追」で、紀元前5世紀ごろの言葉とされ、「論語」は紀元前4~3世紀ごろに編纂された。日本では「逝者」とも表記され、人生訓として定着している。
備考
「逝者」はここでは死者ではなく、過ぎ去った事柄を指す。「諫」は単に注意する意味ではなく、誤りを正す・思いとどまらせる意を持つ。原典では「往者」とする表記が一般的。
別表記
- 往者不可諫、来者猶可追
- 逝者は諫むべからず、来者は猶お追うべし
- 往く者は諫むべからず、来る者は猶お追うべし
誤用・混同注意
- 「逝者」を『亡くなった人』と解し、『死者を諫めても無駄だ』という意味にするのは不適切。ここでは過去・過ぎ去った事柄をいう。
- 「諫」を単なる忠告の意味に限定し、全体を『過去の人には助言できない』と解するのは誤り。過去は改められないが未来には対処できる、という教えである。
例文
- 試験に落ちたことは変えられない。逝者不可諫、来者猶可追というように、次の試験に向けて勉強を始めよう。
- 契約の失敗をいつまでも責めても仕方がない。逝者不可諫、来者猶可追の精神で、再発防止策を考えるべきだ。
- 過去の判断を反省するのは大切だが、未来まで失ってはいけない。逝者不可諫、来者猶可追と考え、新しい計画を進めた。