神に愛される者は若くして死ぬ
読み方:かみ に あいされる もの は わかくして しぬ
意味
神から特に愛されるほど優れた人は、地上に長くとどめ置かれず早世する、という考えを表す言葉。実際に神が死を決めるという教義ではなく、才能や人柄を惜しまれながら若く亡くなった人を悼み、その死を慰めるための比喩的な表現である。
由来
古代ギリシアの喜劇作家メナンドロス(紀元前342年頃~紀元前291年頃)に帰される格言に由来するとされる。原典は断片や後代の引用によって伝わり、この定型句が作られた正確な年や作品名は確定していない。前2世紀頃のローマの劇作家プラウトゥスの喜劇にも、これに近いラテン語の句が見られ、ヨーロッパで広く知られるようになった。
備考
若く亡くなった人を悼む際の、文学的・感傷的な表現である。死を神意として断定したり、早世を美化したりする響きにもなり得るため、遺族や場面への配慮が必要である。原語では「神々」は複数形である。
別表記
- 神に愛された者は若くして死ぬ
- 神に愛される人は若くして死ぬ
- 神に愛される者は若くして死す
誤用・混同注意
- キリスト教の唯一神に由来する教義・聖書の言葉だとするのは正確ではない。古代ギリシアの格言に由来し、原語では神は複数形である。
- 若く亡くなった人は実際に神に選ばれたのだ、と事実として断定する意味で用いるのは本来の比喩的・哀悼的な用法から外れる。
例文
- 若き演奏家の訃報に触れ、「神に愛される者は若くして死ぬ」という言葉を思い出した。
- 彼の早すぎる死を悼む追悼文には、神に愛される者は若くして死ぬ、と記されていた。
- 才能にあふれた友人を失った彼女は、神に愛される者は若くして死ぬという言葉で、悲しみを表そうとした。